« 米国カードデータ流出の法的問題とリスクを考える(2) 同じ手口での漏洩の可能性 | Main | 熱く聴く薬!ミドルこそ聴くべし!サンボマスター!・・・ドラマ「電車男」主題歌に大抜擢!! »

June 22, 2005

これは何だ?ニレコ高裁決定の更生

岡っ引きのろじゃあ:toshi親分、てっ・・てえへんだぁ!
日本橋のtoshi親分:なんでエ、ろじゃあ、鹿でも飛び出してきてケツが真っ赤になっちまったような顔しやがって
岡っ引きのろじゃあ:toshi親分、てっ・・てえへんだぁ!
日本橋のtoshi親分:うるせえ!ちったあ、静かししやがれってんだ。ほれ、そこに座って茶でものみねえ。
岡っ引きのろじゃあ:ふぁ~っ、ようやく落ち着きやした。・・・んでねえ、てえへんなんっすよ、親分。
日本橋のtoshi親分:わかった、わかった。ほれ、話してみなよ。
岡っ引きのろじゃあ:へい、実は、先日の奉行所のご沙汰の件なんですが・・・
日本橋のtoshi親分:おう、東町奉行所の仮のご沙汰がどうしたってぇんでい。
岡っ引きのろじゃあ:それがですねえ、どうも一部に職権による更生が付いたようでして
日本橋のtoshi親分:なんだって!それを早く言いやがれってんだ。ほれ、ろじゃあ、ぐずぐずするねえ、出かけるぜ。
岡っ引きのろじゃあ:あっ、親分、もうちょっと茶ぐれぇのませてくだせぇよ、

という訳で、騒ぐものほどのことかどうかは別にして(^^;)ニレコの高裁決定(付更生決定)、こんなん出てます。まあ、ちょっとイレギュラーですよねえ。
H17. 6.20 東京高等裁判所 職権 新株予約権発行差止仮処分決定認可決定に対する保全抗告(付更正決定)

決定の内容はいたってシンプル。

同決定の理由欄の「第3当裁判所の判断」4項を次のとおりに改めて更正する。
「 以上のとおりであって,本件新株予約権の発行は,既存株主に受忍させるべきでない損害が生じるおそれがあるので,債務者の取締役会に与えられている権限を逸脱してなされた著しく不公正な方法によるものと認めざるを得ない。
 そうすると,債権者がした本件仮処分命令の申立ては理由があるから,これを認容した東京地方裁判所の平成17年6月1日付け原審仮処分決定及びこれを認可した同裁判所同月9日付けの原審仮処分認可決定はいずれも正当である。
 よって,本件抗告は理由がないのでこれを棄却することとし,主文のとおり決定する。」

ってんですが、これはどういうことなんですかねえ・・・
ちなみに、この「理由欄 「第3当裁判所の判断」4項」っちゅうのは高裁決定の次の部分に該当するんでげすが。
4 結論
以上のとおりであって,債務者による本件新株予約権の発行は,債務者に対する濫用的な買収を未然に防止するという目的で設計された制度に基づき行われたものであり,敵対的買収者が現れた場合など一定の場合に取締役会が本件新株予約権を消却しない旨の決議を行うことができるとして,現実の新株発行手続が一定の制限に服することを定めるものではあるが,本件新株予約権が行使され新株が発行された場合には,債権者を含めた既存株主が予測し難い損害を被るものであるから,債務者の取締役会に与えられている権限を逸脱してなされた著しく不公正な方法によるものといわざるを得ない。
そうすると,債権者がした本件仮処分命令の申立ては理由があるから,これを認容した東京地方裁判所の平成17年6月1日付け原審仮処分決定及びこれを認可した同裁判所同月9日付けの原審仮処分認可決定はいずれも正当である。
よって,本件抗告は理由がないのでこれを棄却することとし,主文のとおり決定する。

結局当初の決定の
債務者による本件新株予約権の発行は,債務者に対する濫用的な買収を未然に防止するという目的で設計された制度に基づき行われたものであり,敵対的買収者が現れた場合など一定の場合に取締役会が本件新株予約権を消却しない旨の決議を行うことができるとして,現実の新株発行手続が一定の制限に服することを定めるものではあるが,本件新株予約権が行使され新株が発行された場合には,債権者を含めた既存株主が予測し難い損害を被るものであるから,債務者の取締役会に与えられている権限を逸脱してなされた著しく不公正な方法によるものといわざるを得ない。
という部分を、
本件新株予約権の発行は,既存株主に受忍させるべきでない損害が生じるおそれがあるので,債務者の取締役会に与えられている権限を逸脱してなされた著しく不公正な方法によるものと認めざるを得ない。

の部分に改めたということになります。
異議審と比較しつつ皆さん味わってみてください(←丸投げかよ!)。

|

« 米国カードデータ流出の法的問題とリスクを考える(2) 同じ手口での漏洩の可能性 | Main | 熱く聴く薬!ミドルこそ聴くべし!サンボマスター!・・・ドラマ「電車男」主題歌に大抜擢!! »

Comments

ホントですね。ろじゃあさん、よくフォローされていますね。ぜんぜん気がつきませんでした。
2の(3)と4の結論部分に理由齟齬が生じていますから、2の(3)に合わせて更正決定を出したものと思われます。二重の意味で誤りがあったようですね。ひとつは、新株予約権発行段階で損害がある、と判断しながら4の結論では将来の損害について説明している、ということと、ふたつめは(4の結論部分で)将来の損害について説明しながら、そこに(将来も存在するかどうかわからない)「債権者に損害が発生する」としている点ですね。「結論」部分なんで、ほとんど「どうでもいいや」と思って精査していませんでしたが、これも立派な理由齟齬にあたりますので、高裁は「こそっと」職権で更正したものと思います。まあ、あんな短時間で書き上げたものですから、しかたないと思います。
けっこう、実務でも更正決定はありますよ。

Posted by: toshi | June 22, 2005 08:55 PM

toshiさんへ
パチパチ!!(^^)。
勝手に日本橋(にっぽんばし)の親分キャラで登場させて申し訳ありませんでした。ある目的があって、すっ呆けてこんなエントリーにしたんですが、さすがtoshiさん、一発で直球ど真ん中が(^^;)。
高裁のご担当には申し訳ないのですが、これ結構全国の法科大学院でネタとして使われる可能性があると思います(^^;)。裁判官からしたら、ホントに、あのとんでもなく忙しい状況ですもの仕方ないですよね。ろじゃあは同情派であります。
また、遊びに来てください。

Posted by: ろじゃあ | June 22, 2005 09:57 PM

何か論文とかでも、長くなったり書きすぎたなぁと思って削除したのに、「前述のように」とか残してしまったりすることがあるので、気持ちは分かります。
でも、この高裁の更正は、地裁原決定に比べればかわいいものではないかと・・・何せ決定文の4行目、主文に入る前で思いっきり外してましたから・・・ネットでは修正されちゃっているようですが^^;

Posted by: 47th | June 23, 2005 12:14 AM

47thさんへ
>何せ決定文の4行目、主文に入る前で思いっきり外してましたから・・・ネットでは修正されちゃっているようですが^^;
←ひえ~っ、そうかあ、ネットだと修正できるんですねえ。早くHPにアップするのはそういう意味ではメリットあるんっすねえ(^^;)。

Posted by: ろじゃあ | June 23, 2005 12:37 AM

こちらにもお邪魔します。
今、やっと片付きました・・・
本日は昼まで寝ようと思います(寝させてもらえればですが)
こういうノリ、いいですね、私も自分のブログに書こうかな。
ここでこっそり(でもないか)カミングアウトしてしまいますと、学者先生ならぬ身の私にはPh.Dなどというものはどうでも良くて、今実際に役立っているのはその後のビジネススクールの人脈であったりします。
で、リセット条項付転換社債(あえてMSCBをこう呼びましょう)ですが、あんなものは商法上の有利発行を逃れるための工夫の一つであって、あまり極端な条件でリセットされるようなMSCBは、麻薬の様な物であると思っています。
株価が堅調で上がっていくような、またはそれを期待できるような企業が成長戦略の一環として使っていく分にはなんら問題は無いのでしょうが。ただ、その場合は時価発行増資とどう違うのか、ということになりますが。

Posted by: 福井 | June 23, 2005 06:24 AM

The comments to this entry are closed.

TrackBack


Listed below are links to weblogs that reference これは何だ?ニレコ高裁決定の更生:

« 米国カードデータ流出の法的問題とリスクを考える(2) 同じ手口での漏洩の可能性 | Main | 熱く聴く薬!ミドルこそ聴くべし!サンボマスター!・・・ドラマ「電車男」主題歌に大抜擢!! »