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October 05, 2005

平成電電の民事再生手続きはどうなる?・・・関係者が念のため留意すべき論点の可能性

  この案件は民事再生手続きが進むことになると関係者たちにどんな検討論点が出て来るのか。
  いろいろともう検討しておられる方々が多いでしょう。以下、思い付くままに論点を列挙しておきます。
  ただ、あらかじめお断りしておきますが、手元に投資家向けの説明書がないですので、実際にどういう法的構成なのかはもっと明確なのかもしれません。その意味では以下の記述はあくまでもこの手の取引にかかる資産譲渡に伴う一般論の域を出ていないという認識で読んで頂ければと存じます。ですから、関係者が念のため留意しておく必要のある可能性を開くまでも列挙したということにすぎませんので悪しからず。その意味ではくどいようですがあくまでも個人的な備忘録というところでしょうか。
1.匿名組合に資産は法的な意味で帰属しているのか
  前のエントリーにつけていただいたコメントにもありますが、リース対象資産が法的な意味で匿名組合に帰属していたかどうか。これについては以前平成電殿のHPに各回の匿名組合についての商品の商品説明のところに書いてあったはずなのですが、いまは見れなくなってしまっており、皆さん結構不便していると思いますねえ。
  リース対象となっていた物件は資産ということですけれども動産として法的に匿名組合の資産として帰属していたのかどうか。その前提として資産の譲渡について、完全なカタチでの法的な所有権が帰属した状態になっていたのかどうかは検討の必要があるでしょう。まあ、まさか平成電殿から匿名組合への割賦販売のカタチになっていて、更に匿名組合から平成電殿へのリースになっている・・・ということはないと思いますけどね。もしこうなってたらリースという法形式を使ってること自体ちょっと問題がでてくるでしょうし(税務上の問題ですかね)、譲渡自体が割賦販売ということであれば、監督委員等による否認の問題は当然でてくるでしょう。そうすると匿名組合に投資をした人からすると当てにする財産もそこから上がる可能性のあるキャッシュフローもあてにできなくなる場合も想定できないわけではないわけです。

2.平成電殿と匿名組合ではリース資産についてどんな資産の取扱をしていたのか
  まあ、これは1.の問題を会計上の問題から見ただけなんですけど、どういう資産の処理をしていたのかですよね。1.の法的構成と矛盾する処理をしていたのかどうかなんていうのは法的効果への影響を考える上でも問題になってくるでしょう。
3.民事再生手続きでスポンサーはどう考えるのか
  この設備自体が平成電電の方に帰属するのか、匿名組合に帰属するのかでスポンサーの思惑は相当左右されることになるのではないでしょうか。この場合、再生会社としては、再生を目指すのであれば、選択肢としては、否認して自分の設備として確定させた上でスポンサーを説得するか、リース契約を継続する方向で交渉して一体的処理をしてもらうかということになるんだと思います。
  スポンサー候補からすると、平成電電に帰属しているという構成が(否認後の状態も含めて)可能であるということであれば、この施設も含めたネットワークを裏付けにしてファイナンスしたり譲り受けたりしても旨みはでてくるのでしょうから、スポンサーとして手を挙げる可能性は相当高いのでしょうが、匿名組合に資産が帰属するというカタチが動かないような前提で話をすすめるとなると、平成電電を運営する為には匿名組合の施設を含めたシステムを利用せざるを得ない上に、その資産の価値を当てにすることはできないでしょう(担保的価値としては匿名組合が担保提供してくれればいいのしょうがそうもいかんでしょう)、投資家がいるためこちらとの法的紛議が生じないという状態でないと匿名組合も含めた一体的な処理には触手は動かないでしょう。そうなると民事再生するとしてどのような方法でキャッシュを稼いで再生することになるのか追加資金提供の担保はあるのかという点で、結構やりにくい問題があるということになってしいかねないということもあるわけで。この点をどうするかが監督委員や管財人の腕の見せ所ということになるのでしょうね。そうすると、かつての成功事例である日本リース関係のABS案件の処理での問題や、マイカルにおける問題の処理などと同じような論点も検討せざるを得なくなるということになるのでしょう。
  ただ、今回は、匿名組合につらなるのが結構一般投資家が多いという点が制約条件になるかもしれません。契約書等では投資家のリスクである旨が明確になっているかもしれませんが、実際に紛議が生じることになるとその程度如何ではスポンサーは嫌気する可能性もあるでしょうから。この点も管財人等は配慮せざるを得ないということになるのだと思います。
4.匿名組合は譲受人か担保権者か
  これは譲渡の法的構成次第なのでしょうが、もし割賦販売的であるとか譲渡担保的な取引であるということになると今後の未払いのリース料がある場合にどういう取扱を受けるかという問題は出て来るでしょう。
5.このまま民事再生で進むのかはたまた他の手続きに流れる可能性はあるのか
  これこそ、いまの段階では何ともいえないでしょうが、このままスポンサーが出てきてうまく行ってくれるのか、はたまた、他の手続き(会社更正法など)に流れるということもあり得るのか・・・関係当事者としては可能性の高低は別にして念のため留意して動かざるをえないかもしれませんねえ。
  
  以上、今日は朝刊各紙は目を通せてないものですから、もっと関係は明確になっており問題点も既に整理されているかもしれません。その点は明日以降必要に応じてなおさせて頂きますのでご容赦くださいませ。とりいそぎの備忘録といったところでございます(^^;)。

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Comments

専門的で難しい議論を展開されてますね。
弁護士さんなんですか。

Posted by: bluevelvet874 | October 05, 2005 08:00 PM

通信業界は、ケータイの寡占は進み過ぎて新規参入を募っていますが、固定はもう殆どだめで、固定と携帯をひとつにするという FMC(fixed mobile convergence)という名のもと、固定電話事業者を携帯へ誘導しているのが、総務省とこの業界に長くいる人の動きだと思います。
そうなってくると、IP系で上り(話す)下り(聞く)が対等の双方向大容量通信が必要で、平成電電が着目したドライカッパー(NTTが張ったが使っていない銅線)ではなく、光ファイバーが事業の中心になってくると思います。
その光ファイバーでさえ、大手が手を結ばないとヤバそうなところで、事業継続性をどこまで追求できるのか、とても心配です。
http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20050928/221863/

技術的にはNTT東と西に(NTTがもともと持っていたドライカッパーを)戻す案に妥当性があると思いますので、NTTの償却済み資産の代わりに平成電電が投資した設備をそのまま流用できるのであれば、高い利回りは別にして、それなりの結果が得られるかもしれません。
http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20051004/222127/

いつも「記事」楽しみしています。
お体大切に頑張ってください。

Posted by: ibm9121 | October 06, 2005 01:04 AM

bluevelvet874さんへ
な・い・しょ(^^;)
今後ともご贔屓に。

ibm2091さんへ
いつも貴重な情報ありがとうございます。
民事再生にしろ会社更生にしろ事業の継続が前提となりますので継続を前提とする事業が先行きが怪しいということになるとそもそも再生が難しいということになりかねませんよね。
評価委員の弁護士の先生とかに十分にこの点を誰かが話をする必要があると思います。ただ、上記記事の後者の記述を見ると総務省が監督省庁として何らかの関与(直接か間接かサイレントかは別にして(^^;))が必要な場面もでてくるかもしれませんね。そうしないと利用者の利便性が過度に危うくされかねないわけですから。この点とエントリーで採り上げたスキームの投資家との関係の調整・・・結構しんどいと思います、正直な話。

Posted by: ろじゃあ | October 06, 2005 01:33 AM

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