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November 08, 2005

プロ野球球団二重保有問題をみる視点・・・M&Aコンサルティングとオリックスの関係は「実質支配関係」にあるのか?

横浜・峰岸社長怒り爆発 オーナー会議で二重保有問題先送りに不満
  オリックスがM&Aコンサルティング(以下村上ファンド)の株を45%保有していることについては、出資であるとオリックスサイドも発言しているように、保有しているのは事実のようで。
  さて、この場合、オリックスと村上ファンドの関係は現在の親子会社の考え方からするとどういうことになるんだろうかということが問題となるわけであります。その辺をちょっと婉曲的に書いたのが前回のエントリー「プロ野球協約と実質支配基準・・・市場ルール重視の当事者ほど実質支配基準で考えるのではないの?」だったんすけどね。
  ただ、実際にオリックスが支配関係にないといっているのであれば、この「支配関係にない」という部分については、現在の法的・会計的な枠組みの中でも「支配関係にない」という形で有価証券報告書なりなんなりに反映されているはずであります。完全連結はさすがにないでしょうが、持分法の適用会社になってたりするのであるなら実質支配基準に基づいた枠組みを遵守している以上、「単なる投資」だけではすまないような気がするんですけどねえ。
  実際には、従来の形式基準ではなく実質支配基準になりましたので、仮に本当にナベツネあたりが言うようにオリックスが45パーセントの村上ファンド株を保有しているのだとすると、次の基準を満たす場合は完全連結先に、また、少なくとも持分法の適用会社かどうかの判断においては、20%以上50%以下の場合にあたりますので無条件に持分法適用会社になるはずだとおもうのですが。この辺は、それこそ、磯崎さんあたりに聞いて頂いた方がいいということで。
  ちなみに、連結先かどうかの判断基準の中では、

40%以上50%以下の保有の場合に当たりますので、緊密者等の持ち分を含めた出資比率が50%を超える場合または「意思決定機関を支配していることが推測される事実」としての次の4条件の1つでも満たす場合には完全連結子会社ということになるはずで。

①OBを含む親会社の役員・従業員が子会社取締役会の
過半数を占めている
②重要な財産及び営業の方針決定を支配する契約等が
存在する
③外部資金調達の過半につき、融資、保証、担保提供を
行っている(緊密者等の行う融資を含む)
④その他意思決定機関の支配が推定される事実が存在

  んで、オリックスの有価証券報告書がどうなっているかと思って金融庁のHPからEDNETつかってみてみますと・・・まあ予想したことではありますが、連結子会社(国内)でもその他94社、持分法適用会社でもその他75社という記載となっており、実際に村上ファンドをオリックスがどう位置づけているのかはこれだけではわからないということなんでしょう。
  ナベツネもせっかっくこの件について火をつけたわけですから、この辺の実質支配基準に照らして村上ファンドはオリックスの実質支配先であるというところまで議論してくれるとオリックスにとっても他の10球団の関係者にとっても明確になっていらぬ議論をせずに済むと思うんですけどねえ。
  ベイスターズの関係者の方々も、この辺の議論の中で明確で議論の余地のない部分とそうでない部分をもう少し表の舞台で議論されたらいかがなもんかなあと考えた次第でございます。
  ここの点が明確になると、楽天とTBSの問題についても協約の例外の取扱いの問題について、「実質支配」が存在する関係かどうかで考えればいい問題で、ベイスターズの親会社であるTBSに対して楽天が実質支配関係にある状況であるかどうかで判断すればいいのではないかと思うのですが。
  その点、楽天は20%以上保有することになった段階でオリックスと村上ファンドと同様の基準でその実質支配関係の有無を判断されることになるわけですが(したがって持分法適用会社にはなるのが原則ということなんですかね)、20%に満たない形で立ち止まる限りは、「緊密者等の持ち分を含めた出資比率が50%を超える場合」で且つ「「意思決定機関を支配していることが推測される事実」としての上記4条件の1つでも満たす場合」でない限り、痛い腹を探られるリスクは減るということになるのではないかと思います。
  まあ、いずれにしろ辛抱たまらんといって敵対的買収しかけて「支配権」の獲得に動いた段階でステージがひとつ上がるわけですから(^^;)、やりづらくなるのではないかとおもいますけどねえ。
  ちなみに、20%未満の場合の持分法適用の問題は疲れたのでまた別の機会に・・・

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Comments

ろじゃあさん。このあたりの話はすごく興味があります。プロ野球協約の当該条項の主目的は公正な試合の確保だとすると、根本的にはハンズオンでの投資かどうかという話なのかなあという気がします。ただ、大切なのは「公正らしさ」という観点でしょうから、八百長が疑われる時点で協約の趣旨に反するということなのかもしれません。プロ野球球団を保有する企業の投資戦略を阻害しないという観点からも明確なルールを整備するべき時期なのかもしれませんね(それが会計ルールと一致するかどうかはともかくとして)。また色々と教えてください。

Posted by: neon98 | November 09, 2005 01:36 AM

neon98さんへ
コメントいただいててお応え遅れて申し訳ありません。
なんかコメント付けにくい状態があったようで・・・。
プロ野球球団を保有する企業の投資戦略を阻害しない・・・というところが、制約がわかってて入ってきた者の話と参入しようとするときにその協約のルールが妥当かという問題とは少なくとも分けて話をするのが大人の分別だと思うんですけどね。
インサイダーというか構成メンバー(いわばクラブのメンバー)になってから四の五の騒ぐのはちょっとなんというか・・・しかもそれが八百長の話も含めて公正さの問題なのだとすると投資家一般に共通するルールとしての公正さではなくクラブのメンバーとして外に対して襟を正すという意味での公正さ・・・いわば「ノーブレス・オブリージ」みたいな問題なんだと思うんですけどね。あまりそこで駄々をこねるような印象を与えるとなんか見苦しいような印象も与えかねないような気がするのですが。
それにオリックスにしろ楽天にしろ実質支配基準で連結経営を行ってるわけですからその意味はわかってるはずで。それを踏まえて企業活動を行っている以上、プロ球団の二つが実質支配先だったらその二つに実質支配が可能な状況にあるというのは主観の問題ではなく客観の問題ですよね。
その実質支配先が試合をしたら・・・そりゃ、ファンだっておバカさんじゃないわけですから・・・。このエントリー書いたのもそんな気持ちからでございます。
またコメントお願いします。

Posted by: ろじゃあ | November 11, 2005 03:00 PM

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