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January 25, 2006

47thさんの「「正義」のコスト」によせて・・・今後問題になるとすればデュープロセスと国益の調整か

弁護士の先生を中心に、今回のライブドアの地検特捜部による強制捜査との関係でブログで活発な議論がなされています。
ろじゃあのブログを読んでくださってる方々は、企業法務の関係の方が多いとは思うんですけど、今回のような刑事手続きに関するデュープロセスの問題を活発に議論してくれる「企業法務に精通した」弁護士の方々がまだちゃんと多数存在するということは、企業活動を行うについて非常に心強いものだという気がしません?
と同時に、企業に対してすらかかる倫理をお持ちの先生が多いということは、個人の刑事弁護についてはやはり日本の弁護士先生の倫理というものはまだまだ捨てたものではないという推定が働くのではないかと・・・(はたらくはずですよね、47thさん(^^;))。
企業法務を手がけてる弁護士のセンセと個人的にも長くお付き合いできることが多いのですが、ホントに信用できるセンセというのは今回のような社会正義にもとると思われるような場面に直面したときに、弁護士としての自分の考えをきちっと持ってる人だったりします。
心意気というか職業倫理の問題なんですね。
ぜひ47thさんのブログの「「正義」のコスト」を企業法務の担当者の視点、あるいは自分が経営者である場合の視点でお読みになってみてください。ろじゃあは長文のコメントを付けさせていただいたのですが、それをあわせ読んで、現在日本における企業をめぐる法的枠組みが新会社法だけでなく抜本的に変わりつつある中で、刑事手続きについても今回のライブドアの件は、いろいろな問題を示唆してくれているのだというところをそれぞれの立場で受け止めていただけるといいのではないかと思います。組織作り、人づくり・・・本気で取り組まないとやばいっすよ、ホンマに(^^;)。
といいつつも今回の姿勢、まあ、国益という点から見た要保護利益というものが多様化、細分化、重畳化していることとも無関係ではないわけで、一部の経済事犯については今回の特捜のような姿勢が必要不可欠という立場もあるのかもしれません。その辺の見極めは現状では情報がなさ過ぎて困難ゆえに証取法の刑事規定がらみではしんどい状況は今後も出てきてしまう場合は相対的に多くなってくるだろうという点も忘れちゃあかんでしょう。ホンマ、やりにくいわあ(^^;)。
ご参考までに、以下に、47thさんのエントリーにろじゃあが付けた長文のコメントを掲げておきます。

弁護士の先生を中心にデュープロセスの視点から今回の特捜の手法について問題視する視線は日本の現状に鑑みると非常に健全な視点であろうと思います。 企業の経営者は、今回の件をどのように考えているのかについては、もう少し時間がたたないとわからないところもあろうかと思いますが、ここ10年ぐらいに企業に求められてきたガバナンスの問題、コンプライアンスの問題というのは経営者にとってはせいぜい商法の特別背任が問題になるかというところでとまっていたのではないかと思います。 その意味では刑事の問題というのは取締役ら経営陣の商法(の刑事規定)の問題でとまるもんだという意識が大企業でもあったのではないかと思います。 そこにここ数年の粉飾がらみの問題での刑事的な問題の扱いが証券取引法の話も含めて取り扱われるようになり、今回のライブドアの件でいわば手法的「仕上げ」(もしくは実践)がなされたのではとろじゃあは感じています。 これはコンプライアンスに関する考え方の根本的転換を迫るものです。 ただ、sox法の話にしろ、投資サービス法にしろ新たな枠組みとしての新会社法にしろ・・・特別法による、ファイナンス法による枠組みお整備はアメリカで示されてきたものと一緒じゃないか・・・とお考えの方々も多いと思うのです。 一点違っていたのが・・・たぶん裁判制度のうち刑事裁判の制度の整備がまだ他の整備に比して遅れているというところなのではないかというのが今回の件で明らかになりつつあるのかもしれないということです。 新会社法の枠組みはアメのところもありますけど、そうではない枠組みが同時並行している・・・今回の証取法の刑事規定の弾力的運用?というか実質基準に基づくグループ単位での適用という枠組みもそのひとつなのではないかと。 企業の法務担当者は経営者を覚醒させなければいけません。 同じ改革後の枠組みでもおおむねアメリカ的に考えておけばいいところと日本的特殊性(従来の枠組み)との接合が依然として必要なところとがそれぞれどういう分野でコンプライアンスといっても他人任せだとしんどいもんがあることを。 47thさんたちが懸念されているような「やりにくい枠組み」を前提に経営者は「しのいでいかないといけない」ということを。 47thさんの問題意識は痛いほどわかるし(NYでお互いの外部環境も含め直に相互理解が図れましたしね(^^;))、toshiさんのおっしゃるところも国民としてどう環境を整備しなきゃいかんかという点で共有しておるのですが、企業法務の立場というのはその中でどう社会や株主に対応していって、それを実効たらしめるためにどういう組織をつくり後身を育て、経営者を育てないといけないかというところをまず考えないといけないところがあり(最近この辺のお仕事が苦手な本社の人間が多くなってるかもしれませんなあ)、そういう意味で今回明らかになった枠組みとの関係で結果として重責を負ってしまった人たち(ちゅうか今後対応せざるを得なくなる人たち)のためにろじゃあは何ができるのかを考えたいと思います。まあ、役割分担だと思うんですけどね。この辺何のこっちゃという方は漱石がどうだ鴎外がどうだと書いたろじゃあのエントリー読んでみてくださいまし。 しかしまあ・・・わが愛する祖国はどんな方向に転んでいくんでしょうねえ。ろじゃあは祖国好きですからぶつくさ言いながらも離れないでしょうけど爺さんたちの時代に比べて仁義が廃れてきてるとは思ってはいたんですけど、思慮深さに欠ける枠組みをうまく取り込んじゃう知恵を大衆が失ってる気がしますねえ。そこからヒゲのおじさんが出てくるのを知ってる爺さんもみなリタイアだしねえ。世話が焼けるよなあ、まったく。 47thさん、長々とごめんなさい。
今回の報道関係の件ではやたらとフジの「活躍」が目立つのですが、組織論としてM&Aの危機にさらされた組織が業務提携したあとの選択肢としては企業組織論的にきちんとした研究がなされるべきでしょうねえ。比較するとすれば、ライブドアのサイトが終始一貫して自分たちに身に生じた強制捜査がらみのお話を中立性を保ちつつ報道し続けた姿勢でしょうか?これは別のエントリーでも書くつもりですけど、フジ騒動のときのフジテレビの報道姿勢と比べると「マスコミ」としての姿勢としては、ライブドアニュースの姿勢は爺さんたちの時代の「仁義」が感じられるような気がするんですけど、ろじゃあだけだろうなあ(^^;)。

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Comments

いや、私もそう思いますよ。ライブドアのニュース姿勢の方が、筋とおってますね。

Posted by: Max | January 25, 2006 at 08:21 AM

はじめまして。>ライブドアニュースの姿勢は爺さんたちの時代の「仁義」が感じられるような気がするんですけど<
私もそう思います。自分たちに都合が悪いニュースもきちんと伝えるというのが開示の基本ですよね。

Posted by: さなえ | January 25, 2006 at 10:40 AM

コメント・TBありがとうございました。
凄まじく悩ましいのが、今回捜査機関が市場の公正のために動いたこと自体は想定内・・・というか、そういう方向性が望ましいと思っていたんですが、実際に動いてみてはじめて兵力の違いを感じたというところです。
捜査機関の市場への介入が「劇薬」となってしまうと、それ自体が使いにくいものになってしまうわけで、うまいバランスを、現状とうまく接合させながら見つけていくのが、我々の役目っていうことなんでしょうね・・・
そうそう、日本の弁護士の倫理観とか使命感は、特捜と同じぐらい強いと思いますよ^^

Posted by: 47th | January 25, 2006 at 10:52 AM

はじめまして。
いつも勉強させていただき、ありがとうございます。
ろじゃあさんのエントリーを見て、次のようなことを感じましたので、エントリーの趣旨とはずれるかもしれませんが、コメントさせてください。
今回の件で、企業法務に携わる弁護士の方々(toshiさん、47thさん、Maxさんなど)が刑事手続きにおける適正手続(罪刑法定主義とか別件逮捕とか)について、きちんと議論していることに非常に感銘を受けました。
今まで、経済事犯を含めて企業をめぐる刑事事件については、企業法務に携わる顧問弁護士が行わず、元検察官の方が関与することが多かったように思います。
もちろん、企業法務を中心に仕事をしていると、刑事手続きについて疎遠になり、専門家としての責任を発揮できないという事情もあったのでしょうが、検察の力が強いこともあって、結論は変わらない、虚しいというような気持ちから、刑事はやらない、人権とか罪刑法定主義というようなことを熱く語ることは格好悪いという雰囲気ができていたような感じを受けています。
そして、結局、元検察官の方は、一般的に検察と争うことを好まない傾向にあるように思われますので、検察の操作に対するチェックの機会が失われていたように思われます。
もちろん、いわゆる人権派の弁護士の方々が、いろいろな批判を受けながらも、検察(そしてそれを是認する裁判所)と争い、その中で一定の成果を上げてきているのですが、いかんせん、手弁当的な要素が多く、資力的にも全く武器対当でない状況での防御であったのではないでしょうか。
ところが、企業法務に携わる弁護士の方々がきちんと刑事事件を行うようになれば、資力的にもずいぶん違うでしょうし(弁護士としてもきちんとしたビジネスにはなるでしょうし)、特に、証券取引法などでは専門的知識の点でも検察に対して有利に戦うことができるでしょう。そして、外国留学の経験などを踏まえて、適正手続に関する海外の常識を刑事手続きの中に取り込んでいければ、相当程度、検察の捜査のやり方も変わっていき、刑事手続きも変化していくような気がします。
「そうそう、日本の弁護士の倫理観とか使命感は、特捜と同じぐらい強いと思いますよ^^」という47thさんのコメントに改めて、よい方向に物事が変わっていく期待を感じます。

Posted by: しば | January 26, 2006 at 10:21 AM

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