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April 29, 2006

換金の合法性あいまいだから上場申請却下?

朝日新聞を珍しく読んでたら、社会面に

「パチンコ店業界 株式上場不発 ジャスダックが申請却下」
という記事がでてますた(まだYahooNewsには入ってないようで)。
それによるとパチンコ店チェーンから上場支援を受けたジャスダックが
出玉の景品を換金する業界慣行の合法性があいまいなため、投資家保護を果たせないと判断
して上場を認めないことを決めたという。
う~ん、これ結局現在のパチスロとパチンコのお店関係での景品の換金システム自体の合法性について疑義があるから上場を認めないということなんですかねえ。
ろじゃあ自体は、コンプライアンスの観点から刑法上の合法性について疑義があることについては企業が行うことはいかがなものか・・・という意味なら十分理解できるのですが、所轄官庁というか取締りを行う官庁がこの点について現実には換金についてのいわゆる「三店方式」について賭博罪等を理由とした取締りを行っていないような現状において、全国のホールの多くで景品換金のシステムが定着している(らしい)現状で、それ「一事」をもって投資家保護を図れないという理由になるんかなあと思ってみたりしちまうんですけどねえ。
これは業界の味方するかどうかという話ではなくて、この記事の記述が正しいことを前提とすると必ずしも一義的にこの結論が出てくるのだろうかというところです。あえて想像するならば

将来的に仮に今回申請した業界準大手である企業について取り締まり当局による摘発があったような場合には、当該取締り後の同社店舗における「換金ができないことによる」客足の減少が想定され、ひいては業績の悪化が容易に想定されることになるので、投資家に不測の損害を与えることになる
という理由づけになるんでしょうかねえ。 ただ、この点については、一応新聞記事にも書いてあるように警察庁自体は、
ホール、買い取り所、問屋が別経営であれば、「直ちに違法とは言えない」という見解を示すが「合法」とのお墨付きも与えていない
という現状をどう考えるかという問題なんだと思うのですね。 上場申請にあたり、この点についての法律専門家(弁護士や学者)の意見書とかを求め、さらに警察庁へのヒアリング等を何らかの形で行えるなら行う等、いろいろと証券取引所において「投資家保護のために必要な枠組みの確認」が補完されることも不可能ではなかろうと思われるんですけどねえ。 この合法か違法かの問題は長い歴史があり(そのこと自体問題ともいえるかもしれませんけど)、少なくとも当該業界での慣行を前提として、その業界の店舗において遊戯する当事者の使用のために店舗および利用者の用に供するための遊戯機器(パチンコ、パチスロ)および周辺機器(カードシステム等の機器やそれらのシステム)についての会社は上場することが可能になっている点に鑑みれば、仮に三店方式自体の合法性が不明確であることにより上記ろじゃの推測部分「のみ」を理由として、投資家に不測の損害を与えることが懸念されるというのであるとするならば、かかる店舗に対して、ひとたび摘発があった場合の波及効果は大なり小なり当該上場可能な上記遊戯機器および周辺機器会社についても想定することができるわけですから同様に投資家保護の問題を扱う必要があるかもしれないわけです。 この点についての整合性が取れているのか・・・少なくともこの記事からはその点をうかがい知ることはできないというところなんですかねえ。 本当は実際にはもう少し突っ込んだ理由づけがあるのかもしれませから、なんともいえないんですけど、判断の理由については現物を見てみたい気がしますねえ。 どうも最近新聞記事をこんな感じで読むことが多くなったなあ・・・別に記者の方々を信用してないわけじゃないんですけどね。食い足りないというか隔靴掻痒というか・・・。 ちょいと気になったんで取り急ぎの備忘録的コメントをばということで。 bunさんのコメントとを熱烈待望するところであります(^^;)。

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Comments

ご指名ありがとうございます。「時間の問題」(@toshiさんのブログ)が解決しました(笑)。遅れやしてごめんやし。

ほとんどお二方のご賢察で言葉は尽くされているように思いました。全く出番がございません。グレーゾーン遊園地の中だけで遊んでなさい、上場なんて、ということですね。これも絶対禁止というわけでなく上場によって得られる利益が間接的にでもお上に向かうシステムが構築されるなどすれば、きっと認可されることでしょう。

スロ台の設置期限(3年)規制の強化等、CRに続く引き締めが始まっていて、要注目ですね。スロについてはもう、レトロ台を延々おいて常連さんを楽しませる営業の仕方が不可能になりました。たとえば「北斗」は今年の10月までしか置いておけません。ホールは総じて閑古鳥の巣を作っている5号機の仕様でそれまでに何とか変わるものをと待望していますが無理ですね。

#あのー。
#来月から指名料の値上げをお願いします(笑)。

Posted by: bun | April 30, 2006 10:14 AM

bunさんへ
えっ?今回の改正風営法(風適法)って「指名料」の規制緩和も入ってるんすか?先輩から「指名料」は直接お姉さんに払っちゃだめだっていわれてたんですけど。そういう世界とは無縁のろじゃあには未だに意味わかぁ~んな~い(^^;)。
・・・という形でVIP仕様でのお返事ですが、指名コメントいつもありがとうございます。
しかし、旧型の設置期間制限がそんなに厳しくなるんすか。
むかしbunさんに教えてもらった等価交換じゃないけど比較的高設定で遊ばせてあげるというビジネスモデルもやれなくなるということなんですかねえ。
PSE法の時もそうですが、「政策目標+中古(旧型)利用・流通制約」って政策モデルも「持続的成長可能な社会形成」って月並みな(^^;)でもきょうび的には必要であろう基準を織り込んだ目的効果基準で外部的にモニターする枠組みって必要かもしれませんねえ。
またコメントよろしくお願いしまふ。
しかし、ことパチンコ・パチスロ関係の改正風営法(風適法)関係についてはこれで黄金のトライアングルが定着したということでよろしいでしょうか(^^;)。
ってことでいきなりですが「ぽいんと尺」さま、情報提供でございました(^^)。


Posted by: ろじゃあ | April 30, 2006 11:49 AM

 どうもどうも、ぽいんと尺でございます。
 本日は完全ダウンでして、先ほど起き出してまいりました。
 業界のコントロールを市場に委ねるか、「生活安全課」マターに収めておきたいか、という図式に見えますね。
 「換金」の合法性についてあいまいにすることによって、以前はその手段を黙認していたわけですが、今回はそれを逆手にとって上場を認めていないようにも読めます。旧型台の使用制限などのコントロールを効かせ、このような事業モデルを「表」のものとして公認したくない、という意志があるようにも読めますね。
 確かジャスダックの社外取締役には高名な商法学者が入っているはず。イーホームズや木村建設、またはホリエモンのような「全体として違法」の疑い的な解釈が可能(許される?)かどうか、最近の市場コントロールをめぐる本質を突く論点になりえますね。

Posted by: ぽいんと尺 | April 30, 2006 06:41 PM

ぽいんと尺さま
どうもコメントありがとうございます。
この業界の問題に限らず一般論で言っても、コンプライアンスや内部統制の話と、(裁量度の高い)行政指導や業界団体による自主規制ルールやらガイドラインの「遵守」の問題というのは結構突き詰めていくとディープな問題を提起するんですけどねえ。
新会社法後皆さんどうするつもりなんだろうなあ・・・。
またよろしくお願いします。

Posted by: ろじゃあ | May 01, 2006 01:14 AM

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Tracked on April 30, 2006 02:36 AM

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