出資法と利息制限法(ようやくイントロ)・・・グレーゾーン金利をめぐるブログ界での激論?の行方(^^;)
金融庁の懇談会での中間整理が出たようですが、座長をはじめメンバーを見ていただくとわかるのですが、銀行及び金融制度を巡る各種枠組みの整備を行うにふさわしいそうそうたる方々がメンバーになっているので驚いた方も多いはずです。
その一方で年度変わり前後からブログ界においてもアルファブロガーも含むそうそうたる経済系・法律系の論客による議論が交わされているのは皆様方もご承知のとおりです。
意外なのは懇談会での議論の多数意見とされているらしい方向性とまったく逆といってもいい方向感が意外なほど多く主張されていることです。マスコミの方々もこの手の懇談会の内容を報道する際にはいろいろなものを参照されると思うのですが、磯崎さんのようなアルファブロガー、47thさんのような国際法務のプロのブログで書かれている内容がここまで懇談会での議論とちょいと違う方向になってると立場上???マークが出てくるところもあるかもしれません。PSE法におけるようにブログやネットからの議論が最終的に一定の支持を得て方向感が調整されたような例も出始めておりますので、今回の議論が同種の議論になり得るのか?と考えている方々もおられるかもしれません。
ろじゃあはここ数週間のエントリーで触れたように身内の不幸の関係でタイムラグが出てしまい、議論に追いつくのが精一杯というのが現状ですが、国民の色々な立場からの開かれた議論とフェアコメントに対する説得性という観点からも今回の議論が
救済を必要とされる人々のための救済手段の枠組みの選択とその選択による国民経済への影響度という観点からより慎重で掘り下げた議論がなされるべきであるというシグナルを有力ブロガーたちが示し始めているのではないかという点については各方面とも冷静に認識するする必要があるのではないかと思い始めております。
ろじゃあ自身としても最高裁が今年の初めに示した立場と磯崎さんたちの疑問というのが相容れないものなのかどうかという点については実は十分両立する可能性のある立場と考えることも可能なのではないかと考えているところもあり、この点について備忘録的なものを記しておかないといけないなあと考えているところでございます。
例によって息切れしそうですが(^^;)、遅れてきたろじゃあのとりあえずはイントロとさせていただきます。
この議論において法律系で且つ経済系でもある必読のブログとエントリーであると現状でろじゃあが考えているのは以下のとおりです。
「ふぉーりんあとにーの憂鬱」の「上限金利規制に対する議論の中間整理 [ 2006年04月23日 ] 」
→この前半部分に47thさんのエントリーがすべて載ってます。すべて読んでください。コメントまで。
また参考にすべきネットで入手可能な資料についても示しておられます。
しかしまあ、これを世間が検討している間に試験勉強ってのも47thさんらしいなあ(^^;)。
「bewaad institute@kasumigaseki」の
「利息制限法の是非」
「グレーゾーン金利撤廃へ?」
「貸金業制度等に関する懇談会・中間整理の公表」
bewaadさんのところには色々な方々が色々な立場で結構ディープな議論をされるのでついていくのが大変なんですけど(^^;)、比較的早い段階からこの議論の法政策学的な側面も視野に入れながら(まあ霞ヶ関の立場というのはこれもなきゃ仕事ができないわけですから当然でしょうが・・・)客観的な議論をされてこられたのではなかろうかと思っております。
「Isologue(by 磯崎哲也事務所)」の
「なぜ過剰取立は起きるのか?(47thさんの記事より)」
「消費者金融的経済学」
「早稲田大学消費者金融サービス研究所の論文より」
「グレーゾーンの効用」
いずれも多重多額債務者の方々のために日夜社会正義実現の一環として弁護士業務の中で「グレーゾーン金利」の問題を考えてこられた先生方からするともしかしたら「宇宙人の立場」(←磯崎さん、ごめんなさい)に映るかもしれないのですが(法律のリーグの中で、みなし弁済制度自体を、「従来の制度は、「いざというときの金利減免オプション付き契約を、法律で義務づける」のと同様の経済的効果」があった制度であるという制度把握をする立場は少なくともあまり見られなかったのではないかと思います)、47thさんが上記エントリーで述べておられるように
上限金利規制はまず理論面から考えても多重債務者問題の解決に役立たないという意味で政策として無益であるのみならず、低所得者層によるクレジットへのアクセスを閉ざしライフラインを危殆化させるのみならず、ヤミ金融への依存度を高めてしまうという点で、却って保護の対象であるはずの低所得者層にとって望ましくない結果を惹起するおそれが高いという点を指摘する立場も一応存在し、
人間は世の中を敵と味方の二つで見たがり、敵の味方をするものは敵と考えたがる・・・と、経済学者のDavid Friedmanも最近こぼしていたわけですが、「貸金業者にとって不利な上限金利規制に反対すること→貸金業者の肩を持つこと→多重債務者の敵」という構図で見られている方がいらっしゃったら、少し立ち止まっていただけると幸いです。という立場もあるということで、よりよい「要保護性の高い債務者の保護のための法システム」構築のために必要な「説得過程」の議論としてご吟味ご検討されてみてはいかがかと思う次第でございます。
話がしどろもどろかもしれないのはまだろじゃあ自身が精神的に原隊復帰できていないかもしれない故の情けなさとして皆様方にはご海容願うしかないのですが、この分野の議論をほっておくのもなんだとおもいましたのでリハビリもかねておいおいろじゃあの立場も示しつつ少し論じさせていただこうかというイントロでございました。


Comments
ご紹介頂きありがとうございます。
突っ走ってしまった後で、委員の先生の名前を見返して、若干の後悔も感じ始めているところですが(- -;)・・・私が日本に戻る頃には忘れて頂いているであろうことを願っているところです。
真面目な話をすれば、私が個人的に存じ上げている委員の先生方に関していえば、ブログでこねた程度の理屈は百も二百も承知されている方ばかりなので(実際、色々な場面で釈迦の手の上で暴れている気分に陥るんですが^^;)、結論としては間違っていないのかも知れませんが、その過程が目に見えてこないという政策決定のあり方そのものに考えるべき点があるような気がしています。
Posted by: 47th | April 25, 2006 at 02:37 AM
最近の本件に係る議論の急展開には、個人的にちょっと戸惑ってますが・・
「上限金利を下げても、口座数・債務者数は減ってない、現状は暴利行為でありもっと下げ余地があるんじゃないか」
「上限金利を下げても、破産者は減っていない、上限金利と多重債務問題は関係ないし、法律の範囲内では貸せなくなる債務者が増加して闇金融の被害が増えるだけだ」
どちらも、ある意味で真実でしょう。まさに、cas de conscience・・。
仕事上の立場もある(笑)ので、あまり一方に肩入れするのもどうかと思いますけれど、一つだけ言わせていただければ、やはり「今そこにある危機」的状況の債務者にとっては、上限金利が下げられることによって、与信が絞られることはほぼ自明であり「破産への道を選べ」と宣告されるに等しいと思います。お坊ちゃまのG政務官にはわからないかもしれないけど、貸金業を必要とする一般庶民は現にたくさんいる・・。
で、ここからは、安易な妥協的私案でお恥ずかしいのですが、貸金業に対する二段階規制というのは不可能なのでしょうか?
「上場企業またはそれに準ずる企業(資本金【10】億円以上、上場企業の実質支配基準での子会社を含む)は【20%】、それ以外は【現行の29.2~29.28%を適用】」
というようなものです。
なお、厳しい上限金利規制を受ける代わりに、TVCMの実施や無人契約機の利用、銀行ATMとの提携などは【20%】適用会社にのみに認める、というような内容にする。要するに、マスを対象にビジネスを行う貸金業と、相対的にリスクの高い顧客層に対して顧客密着型ビジネス(?)を展開する貸金業とで規制を分けるという考えなのですが・・ナンセンスでしょうか?
Posted by: すぎ | April 25, 2006 at 08:34 PM
すぎさんへ
毎度どうも。
ろじゃが個人的に関心を持ってるのは上限金利を下げることにより融資機会が減る層に通常のサラリーマンの層が入ってこないかどうかというところです。
クレジットカードのキャッシング部分や株式購入関係のローンやら結構バランスシートが大きくなってるサラリーマンについても同一の枠組みで総与信枠規制が行われると結構きつくなる層が出てくるのではなかろうかと思ってます。
その意味では上限金利規制はある程度仕方ないとしてもそれとあわせて画一的な総与信規制は中堅層以上の資金需要者には適用しないという枠組みを工夫するべきだと思います。
地価高騰の規制で融資規制を行ったときの副作用を想定していただくとよろしいのではなかろうかと。
またコメントよろしくお願いいたします。
Posted by: ろじゃあ | April 26, 2006 at 12:53 AM
個人的には、借金でレバレッジを効かせている方々は、もとより契約上のリファイナンスリスク(キャッシュフローによる返済可能性をどう金融機関にアピールしていくかを含め)を十分認識しておくべきではないかのかなぁ・・とも思いますが。(笑)
もちろんマクロ的な観点から、投資に資金が回らなくなると「平成の鬼平(今、どうしてらっしゃるんでしょうねぇ・・あんなにマスコミの称賛を浴びたのに)」の二の舞になるというご指摘・ご懸念はごもっともかと存じます。
ただ、「一回でもつまんだ履歴があれば、絶対貸さない」という銀行さんが存在する(リテール強化をどこも前面に打ち出していて、一部アグレッシブな銀行さんはおまとめローンにまで乗り出している以上、かならずしもそんな旧態依然としてる銀行ばかりではないのかもしれないけど・・)状況において、すでに借入れ件数の多い債務者の方々に対しては・・今回のやや性急に思われる政策転換の与える影響についての方が、心配されるのです。
今まで実査等で現場を見る機会も何度もあったので、つい感情移入してしまって・・まぁ、免疫がなかっただけかもしれませんが。(^^ゞ
Posted by: すぎ | April 26, 2006 at 02:15 PM
すぎさまへ
どうもこのすぎさまという書きぶりは「杉良太郎」様に書いてるようで歯がゆいところもあるのですが(笑)、コメントどうも。
ご指摘は至極ごもっともでして・・・確かにそうなんですけどね。
ただ、残高が一定数になっている層は、すぎさまがご指摘しておられる「一度でもつまんだ」状態にないにもかかわらず「一度つままざるを得ない」状況になる可能性があるのではなかろうかと。
その際に総与信枠規制が均一にかけられますと、「一度つまもう」と申し込んでも専業者さんから「つまめない」という状態が出てきてしまうのではなかろうかというところを気にしているのでございやす。
その意味では上記コメントですぎさまが懸念されてる「一度でもつまんだことがあるかた」と同様ともいえますし、融資機会が一度になくなる可能性があるという意味ではショックの度合いは結構大きいのではないかと思うのですね。
すぎさまのような実務経験に裏付けられた問題意識というのがもう少しちまたで共有されるといいと思うんですけどねえ。
ではでは
Posted by: ろじゃあ | April 26, 2006 at 02:37 PM