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March 01, 2007

自分のところの「取引を知る」ということ・・・アイエックスアイ(IXI)問題、その他の循環取引問題を一ヶ月ほどモニターしての雑感

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自分が属している企業なり会社の取引を知る必要がある世の中になっています。
もちろん自社のコアコンピタンスぐらいは理解していると言われうるかもしれません。
ただ、ここで「取引を知る」というのは、どうやら10年ぐらい前と同じ意味ではいけないようです。
自社の取引がどのような会計上、法務上のリスクを内包している可能性があるのか・・・・これがここでの「取引を知る」の意味であります。
組織的に取引の入りから出口までを営業セクションにすべて任せておくという会社も今まではそれはそれで問題なかった訳で・・・・。
そのそれぞれの段階で法務なり審査なり経理なりのチェックを効かせればいいわけでしょう?・・・・という問題だけではなさそうです。
今回の一連の循環取引騒動を一ヶ月ぐらいモニターしてきて思ったのはこの「取引を知る」意識が必要なのは誰なのかということでございました。
契約前の取引先の審査、契約締結過程の商議、契約締結に伴うドラフティングと締結手続きと必要ならば担保手段の検討、途上の取引先管理と与信管理、相手先信用不安時の債権回収・・・・

これらの手続きを組織別に分属させて対応してきた業界もありますし、入り口から出口まで営業取引に併走するように組織対応してきた業界もあります。
いずれにしろそれらの機能は、広い意味での法務の意味合いがあったわけですが、これらの組織は審査部と呼ばれたり、法務部と呼ばれたり、契約部と呼ばれたり・・・・。
これらの一連の相手先管理に長けていたのはある時代においては圧倒的に商社だったのですね。
企業法務を担当する方々はなんだかんだとかつて商社法務に学ぶところが多かったというのは議論の余地があまりないところではなかろうかと思います。
商社の機能との関係でも、会計制度とかはあまり気にせず、相手先管理に比重を置いたリスク管理こそが重視されてきたのではないかと思います。
しかし、取引世界をめぐる環境は変わりました。
実質支配基準に基づくグループ会社の枠組みが出てきましたし、倒産法制とM&Aに関する枠組みも変わりました。会計制度も変わりました。
それはあたかも伝統的な金融法務が金融再生の枠組みの中でその内容を発展的に変化させていった流れとも比較しうるものでありましょう。
今回の循環取引については、伝統的に物が存在する取引における取引慣行をソフトウェア取引という物理的な物が存在するとは言いがたい取引に当てはめた場合にどのような問題が出てくるかということについてのリスク管理の視点と、伝統的に物が存在する取引枠組みの中でも例外的な取引の枠組みをそれに援用した場合にどのようなリスク管理が必要なのかということを検証する視点が必要なのだろうと思います。
それが法務の問題を基調としつつそれを前提とした売掛債権についての会計上の問題が金融商品取引上との問題と会社法上の問題にも関係してくるという視点が経営サイドに必要になってくるのだろうと。
問題はこの問題意識を持つ視点を組織内にどのようにビルトインさせるのかというところでございましょうな。
誰が、この問題に気がつきどういう行動を起こすことが期待される組織にするのか・・・。
これが結局コンプライアンスシステムの構築の視点と内部統制システムの構築の視点を架橋する視点として必要なんだろうなあという当たり前の結論になるのでございまして。
ただ、その中に形式的リスク管理の視点を重視するのか実質的リスク管理の視点を重視するのかにより、各社さんにおいては法律の枠組みの範囲内で対応の差が出てくる余地はあるのだろうと思います。
同時に株主の利益も考えた上でそれなりの枠組みを考えないといけないわけで。
「生徒手帳君」だけ大量に採用したって埒が明かないのは自明だろうとは思うのですが、ではこれらの維持管理にはどのような人材が必要なのか・・・・ここに不真面目な企業は先が危ういのは確かだと思います。
では、これらの制度を運営していくためにはどのような人材管理システムと人材評価システムが必要か・・・。
その企業の営みを評価する場合にはここのところも長期的な視点では重要だと思うんですけどね。
その意味では、ちょいと飛躍もあるのは承知の上なのですが、ここ10年ぐらいの商社さんにおけるここ数年の会計上、法務上の対応というのを考えてみることも企業のリスク管理の問題としては非常に参考になるのではないかと考えている次第です。
冒頭の問いかけ・・・誰が知らないといけないのか・・・については引き続きエントリーしていきたいと思います。
ここ一ヶ月の騒動をモニターしての雑感でございます。

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