店長という存在・・・マクドナルド訴訟のお話(2):伝統的枠組みとやり過ぎている主体の枠組みを区別する視点
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この件については、
画一的な対応が妥当なのかどうかという視点は必要だと思います。
ただ、ろじゃあが言っているのは、いわゆる柔軟な労働慣行という意味ではなく、
今までの基本的な法的枠組みを認識しつつ、伝統的な枠組みの中で業務運営と「管理監督者」の枠組みの中で、今までどおり何ら問題なくモデルを維持すればよい主体と、ある意味では、
伝統的な枠組みの理解が足りなかったか、形式的にかかる枠組みに乗りかかることで今回のような論点が生じうる業態・主体を区別する視点を少なくとも認識する必要があるのではないかということです。
これを無視して、後者と前者を一緒くたに今回の判決との枠組みで問題があると論ずることは、後者の枠組みには都合がいいかもしれませんが、
前者の枠組みをも浸食することになるのではないかと思うのですがいかがでしょうか。
コメントで埼玉のよっちゃんも触れてくれていますが、管理職になったことで、総体として当該管理職の賃金が、通常の社員の平均的な残業代と比して恒常的に低い水準になってしまっており、且つ職制による責任や期待される枠組みが管理職になる枠組みよりも過剰なレベルになっているような場合は、形式的には、少なくとも専ら人件費の削減のためにかかる枠組みを構築しているのではないかと見られる可能性を気にする必要があるかもしれません。
ただ、かかる状態になったとしてもいわゆるフリンジベネフィットの部分で一般社員を上回る部分があるとか、合理的水準での一般社員と異なる基準での(すなわち今回の判決でも触れられているらしい「経営と一体として」の部分との関係で言えば、経営上の評価項目として経営者的な項目が予め合理的な水準で措定されているのかどうかとかですね)ボーナスや昇進での評価枠組みが専ら形式的なものではなく用意されているなどの場合には、専ら人件費削減のためにかかる枠組みを構築しているのではないという反論ができる場合があり得るかもしれません。
少なくとも、上記のような問題と視点が存在し得るということを、今まで考えてきた主体なのかどうかということと、それを踏まえてより合理的な人事の枠組みを構築してきたかということが今後は問われる可能性があるのではないかということを言いたいのです。
であるとすれば、少なくとも、
専ら人件費削減のためにというような謗りを受けないような枠組みを構築しそれが従来の伝統的な枠組みを踏まえたものであると考える主体は、経済界を支える主体として、急に慌てる必要はないのであり、これは今回のマクドナルドさんがそうだと言っているわけではないので誤解していただきたくないのですが、あくまでも法的枠組みの評価として一般論で考える場合においては、むしろ、上記後者のいわば「管理監督者」という概念を若干問題のある意図から利用していた(意識的か無意識かの問題はあるでしょうけどねえ)、主体が仮に現状で存在してきていたのだとするならばかかる主体と同じベースで前者が議論をするのはどうかなあという気がいたします。
その意味では、同じ業界業態の中でもまったく本件の判決の内容と今後の高裁等での予想される判決の枠組みでも別に気にすることはないという主体と、そうでない主体というのはあって当然だと思います。
ただ、この場合も
同業他社がかかる専ら人件費削減のみを目的としたような人事システムでのビジネスモデルを構築して競争をしてきている中でそんなことを言ってもしょうがないだろうという立場もあるかもしれません。
経営の立場からすると確かにコストの問題のひとつとしてビジネスモデルの存否を左右する可能性がある問題ですものね。
でもそれって、この内部統制とコンプライアンスの叫ばれる時代の中の枠組みで言うならば
そもそも公正な競争の枠組みの中での話しになるんだろうかという視点を持つこともできるかもしれません。
上記のような判決で少なくともさすがに専ら人件費削減のための枠組みだろうという謗りを受けかねない枠組みでの競争というのは、
敢えて書生的に言うならば競争法上の視点からも法的問題があるかもしれないわけで。
不公正な取引方法ということになるのかどうかは別にして、一応考える必要のある潜在的論点の可能性はどうなのか・・・法務部の方は、部下にメシの時にでも問いかけて反応見てみるといい問題かもしれません(苦笑)。
ということでこの点はもう少し考えてみましょう・・・


Comments
マクドナルドの判決全文がアップされてました。
私のショートレビューとあわせ、リンク貼っておきます。
←ありがとうございます。
ちょっと今日は読む時間なさそうだなあ・・・(泪)。
Posted by: tac | January 30, 2008 at 07:22 AM