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March 29, 2011

『架空循環取引 法務・会計・税務の実務対応』:復興期の商取引者間の信用仲介システムの見直しにもこのテーマの理解は大切

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某研究会で筆者の方から献本いただきましたのが、この

『架空循環取引 法務・会計・税務の実務対応』(清文社)
であります。
清文社の編集部の方、久しぶりにご連絡してみなければ。
このようなテーマの本をきっちり作っておられたのですね。
「ビジネス法務の部屋」のtoshiさんの推薦文が帯についてます。
架空循環取引については、実は震災後のろじゃあのブログにかつて集中的・継続的に書いていた循環取引関係のエントリーへのアクセスが結構増えていたので、どうしてなんだろうかと思っていたのですが、

考えてみると、かかる仕組みというのは、平時に関連する当事者が業務を行っているからこそ可能な取引であるわけで。
その中には「善意の」当事者もたくさん組み込まれていることが多いことも考えると、緊急事象等でこの仕組みの前提が崩れることになるといろいろな問題が出てきかねないわけで。
食品関連であれば、今回の買いだめ騒動などがあれば、品物の実際の流通にボトルネックが生じ、仕組みの前提に影響を与える可能性も出てくるでしょうし。
それ以外の偶発事象がおこることが想定されれば、関心が高まるのは当然でしょうし、取引先管理をする企業の方々からするとこの領域の問題に注視せざるを得ないところもあるんだろうなと。
研究会でもこの点については言及があったのですが、これはまた改めて。
ともかく、まずは、この労作に目を通させていただき、今後の日本の復興に際しての中小企業のファイナンスと信用取引との関係で、循環取引と呼ばれていた問題取引と、介入取引として企業信用の一形態として機能していた取引との峻別を進め、後者の効用を考えながら今後予想される実物を伴う取引での企業間信用仲介の枠組みを考えていく際にもこの「濫用類型」の理解は必須なんだろうと思った次第です。
今回の買いだめ騒動は別の視点からすれば、在庫を極力当事者に滞留させない「効率的な」スキームが、実は平時を前提としたシステムで、非常時に対する配慮が必ずしも十分ではなかったということを明らかにしたのではないかと思います。
きちきちとあまりにも過度に効率最重視でやらずに、常日頃の取引を重視し、信用を重視して対応していた企業さんの方が非常時には何とかしていただけるのではないか、特に中小企業はこういう時には・・・という話を実際にある会合で伺いました。ある意味では商人の大事な心得の一つでもあるでしょうし、流通経路で複数の主体に一定の在庫が流動的ではあるが確保されている・・・というシステムは、復興に向けた物資の流通経路の再構築と、それを踏まえた承認間の信用仲介のあり方を考えるためにも、この領域の勉強は非常に重要だと思います。
その意味でも時機を得たテーマの本ですので、まずは一生懸命眼を通させていただいて、その内容を近いうちにこちらでも御紹介させていただきたいと思っております。

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