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December 04, 2011

「株式会社安愚楽牧場に対する景品表示法に基づく措置命令について 」(消費者庁平成23年11月30日リリース):リリースの「別添」が非常に分かりやすっ!まさに「消費者関係省庁」の消費者のためのリリースという意味では「よいお手本」ではないかと

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安愚楽牧場の件については何度かろじゃあも取り上げてきたのですが、ろじゃあが巡回させていただいている「ちぎっては投げ」さんのブログのエントリーで、消費者庁から同社に対する景品表示法に基づく措置命令が出されていることを教えていただきました。
あぐら牧場は実は詐欺だったらし(ちぎっては投げ2011年12月01日エントリー)
http://blog.livedoor.jp/yuraku_love/archives/52235413.html
んで、この措置命令についてのリリースがこちら↓
「株式会社安愚楽牧場に対する景品表示法に基づく措置命令について 」(消費者庁平成23年11月30日リリース)
http://www.caa.go.jp/representation/pdf/111130premiums_2.pdf
そんでもって、このリリースによると、

消費者庁は、本日、株式会社安愚楽牧場(以下「安愚楽牧場」という。)に対し、「黒毛和種牛売買・飼養委託契約」に基づく役務の取引に係る表示について、景品表示法第6条の規定(同法第4条第1項第1号(優良誤認))に基づき、措置命令(別添参照)を行いましたので公表します。
ということなんですね。 ここまでは中央官庁によるリリースという意味では通常のリリースと変わらんなあという感じなんですが、
「別添」・「別紙1」乃至「別紙5」、「別表」とされてそのあとに続く資料が非常にわかりやすいのです。
企業法務についてのエントリーを今までろじゃあはアップしてきておるわけですが、今回のような事案については国民経済的な観点からも消費者一般に対して、いったいどのようなことが問題だったのかということの理解を助けるという意味では、この別添としてのずとか資料は非常にビジュアル的にもわかりやすいです。 まさに消費者関係の象徴としての「消費者のための」リリースの工夫がなされているという意味で、これは素直に称賛しておかねばならないだろうと。 個人的には、
動産としての牛さんの投資家サイドから見た所有権の取り扱いというのはどのように扱うのかというのが民法ベース・倒産法ベースで非常に気になっていた論点
であったのですが、別紙1乃至別紙4(特に別紙4)を参照しますとこの点についても理解を助けるのに非常に参考になると思います。 そして最後に措置命令の文書を掲げたうえで、
2.事実
のところの(2)乃至(8)のところで実際にオーナーたちとの間でどのような契約を交わしていていたのかについても役所として認定した事実を記載しています。 まあこの部分は、景品表示法関係の措置命令を下すにあたって必要な事実の認定ということですからいわば入っていて当たり前の部分なんでしょうが、今回の事案での当事者間の契約関係がどのようなものだったのかを理解するためには非常に有用であると思います。引用すると少し長いですが以下の通りです。なるほどね・・・って感じです。
⑵ 安愚楽牧場は、自らが運営する牧場並びに「黒毛和種牛肥育委託契約」及び「黒毛和牛繁殖委託契約」と称する契約を締結した畜産農家が運営する牧場において、黒毛和種の種牛、生後6か月未満の黒毛和種の牛(以下「子牛」という。)、生後6か月以上の繁殖の目的に適する黒毛和種の雌牛(以下「繁殖牛」という。)及び生後6か月以上の肥育用の黒毛和種の牛(以下「肥育牛」という。)を飼養していた。安愚楽牧場が飼養する全ての牛は、安愚楽牧場が独自に設定した記号及び数字が記録された耳標(以下「耳標」という。)により、個体ごとに管理されていた。

⑶ 安愚楽牧場は、「黒毛和種牛売買・飼養委託契約」と称する契約を締結した顧客(以下「オーナー」という。)に対して、次のアないしエを内容とする役務を供給していた。
ア 安愚楽牧場は、オーナーに対し、繁殖牛を販売すること。
イ オーナーは、安愚楽牧場に対し、契約に定める代金額を支払った上で、契約に定める期間を通じて、繁殖牛の飼養を委託し、安愚楽牧場はこれを受託すること。
ウ 安愚楽牧場は、オーナーに対し、繁殖牛が出産した子牛を安愚楽牧場が買い取る際の子牛買取予定代金から1年分の飼養委託費を控除した子牛予定売却利益金(以下「利益金」という。)を年1回支払うこと。
エ 安愚楽牧場は、契約期間経過後、オーナーから繁殖牛を買い戻すこと。

⑷ 安愚楽牧場は、前記⑶の契約において、オーナーが所有することとなる繁殖牛の持分又は共有持分を定めるとともに、当該繁殖牛の耳標の記号及び数字を契約書に記載することにより、契約の対象となる繁殖牛を特定している。安愚楽牧場は、オーナーが所有する繁殖牛が、安愚楽牧場の責めに帰すべき事由により、契約期間中、死亡、廃用等を原因として滅失した場合には、オーナーに代替牛を提供するなど、オーナーの被った損害を賠償することとしている。

⑸ 安愚楽牧場は、本件役務を供給するに当たり、事業年度ごとに、売買・飼養委託契約金(オーナーが前記⑶ア及びイの対価として支払う金銭をいう。以下同じ。)、契約期間、持分等を異にする様々なコースを設定していた。安愚楽牧場は、平成22事業年度以降、例えば、「まきば若葉」と称するコースについて、売買・飼養委託契約金、契約期間及び利益金を据え置いたまま、共有持分を5分の1頭から10分の1頭に引き下げている。この結果、安愚楽牧場が飼養する牛の頭数は平成21事業年度に比して減少しているにもかかわらず、契約数及び契約金額は増加することとなった。

⑹ 安愚楽牧場は、遅くとも平成19年3月頃以降、あるじゃん、週刊ダイヤモンド、レタスクラブ等の雑誌において、本件役務に係る広告を掲載することにより、オーナーを募集していた。

⑺ 安愚楽牧場は、本件役務を一般消費者に供給するに当たり、例えば、平成23年7月21日を発売日とする「あるじゃん」平成23年9月号に掲載した広告において、「これは、安愚楽牧場の繁殖牛、つまり、子牛を出産させるために飼育している母牛のオーナーになってもらう制度です。繁殖牛が子牛を産むと、安愚楽牧場が買い取り、
買取代金から牛のエサ代などを差し引いた金額を『利益金』としてオーナーの方にお支払いします。」、「万一、契約期間中にオーナーになっていただいた牛が死亡した場合は、安愚楽牧場が保有する代替牛を提供しますから、ご安心ください。」、「1年目に1頭目の子牛誕生。」、「2年目に2頭目の子牛誕生。」等と記載するなど、遅くとも平成19年3月頃以降、前記雑誌において、オーナーは契約期間を通じて繁殖牛の所有者となる旨を表示していた。

⑻ 実際には、遅くとも平成19年3月頃以降、各事業年度末において、安愚楽牧場が飼養する繁殖牛の全頭数は、オーナーの持分及び共有持分を合計した数値に比して、別表のとおり、過少であった。このため、安愚楽牧場は、オーナーを管理するシステム上、繁殖牛を割り当てることができないオーナーに対し、雌の子牛、雌の肥育牛その他の牛を割り当てていた。

とはいえ、倒産法関係の手続きの流れからいえば、民事再生法の申請から民事再生手続を廃止する決定を経て、破産手続きに移行という流れが11月初め以降にあったことを考えると被害者の方々からすると、
今回の措置命令があっても・・・という思いがあるかもしれないなあということを考えると若干複雑な心境になって来るのではないか
とも思います。
この辺の手続きの経過については
全国安愚楽牧場被害対策弁護団のHPhttp://agurahigai.a.la9.jp/index.html
をご参照していただくのがよろしいと思います。非常に分かりやすいです。

ということで、機動性という観点からはいろいろな評価があり得るかもしれませんが、今回のように結構複雑な事案に関しては、少なくともかかる形で消費者に分かりやすいリリースをしていたくというのはその姿勢として、関係省庁としてはやはり今後も引き続き配慮いただくのがよろしいのではないかと思い取り上げた次第でございます。

ということで備忘録でございます。


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