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December 01, 2011

 最高裁平成23年12月01日第一小法廷判決:当該貸金業者につき民法704条の「悪意の受益者」との推定を覆す特段の事情があるとはいえないとされた事案・・・第三小法廷だったらどんな内容になったんだろうかなぁ

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えっと、貸金業法が変わっても過払い金についての最高裁判決は引き続き出てくるんですなあ。

そりゃ、ま、タイムラグがありますからね。
とはいえ、昔だったら5年ぐらいかかかってた案件が長くても2年ぐらいで、なんとか最高裁の立場明らかにしてくれるようになってるんですから国民としては、
最高裁の獅子奮迅についてはきちっと評価すべきことは評価して差し上げないといけない
と思いますよ。
ろじゃあのブログでも取り上げた
平成23年10月25日判決
とか、割賦販売法に関する今後の実務に影響ありまくりの判決であれだけバランスが取れてるものをきちっと一定の期間内でだすんですから。
ということで、

こちらは貸金業法関係の

最高裁平成23年12月1日判決
であります。
リボルビング方式の貸付けについて,貸金業者が17条書面として交付する書面に確定的な返済期間,返済金額等の記載に準ずる記載をしない場合は,17条書面には上記記載を要するとした最高裁判所の判決以前であっても,当該貸金業者につき民法704条の「悪意の受益者」との推定を覆す特段の事情があるとはいえない

http://www.courts.go.jp/search/jhsp0030?hanreiid=81798&hanreiKbn=02
第一小法廷判決ですね。
第三小法廷だったら
田原裁判官の意見、反対意見、補足意見とか読める可能性が高いんだけどねえ。
ちなみに原審は東京地裁平成22年10月27日判決ね。
全文はこちらですね。↓
http://www.courts.go.jp/hanrei/pdf/20111201142825.pdf
吸収合併とか貸金業者のM&Aやら事業譲渡やら、債権譲渡やら貸金業者としての主体の変更がある事例が増えておりましたので、まあ、17条書面のお話とかについてもコンプライアンス上配慮したうえで当事者は対応しておく必要があるわけですが、今回の判決では、最高裁19年7月13日第二小法廷判決・民集61巻5号1980頁での
貸金業者が制限超過部分を利息の債務の弁済として受領したが,その受領につき貸金業法43条1項の適用が認められない場合には,当該貸金業者は,同項の適用があるとの認識を有しており,かつ,そのような認識を有するに至ったことについてやむを得ないといえる特段の事情(以下「平成19年判決の判示する特段の事情」という。)があるときでない限り,法律上の原因がないことを知りながら過払金を受領した者,すなわち民法704条の「悪意の受益者」であると推定される
の推定が業者サイドで覆せなかったということですかね。
判決文の以下の論理の流れのところは業者・関係当事者の認識により相当差が出てくるところかもしれませんね。
貸金業法17条1項6号及び貸金業法施行規則13条1項1号チが17条書面に返済期間,返済金額等の記載をすることを求めた趣旨・目的は,これらの記載により,借主が自己の債務の状況を認識し,返済計画を立てることを容易にすることにあると解される。リボルビング方式の貸付けがされた場合において,個々の貸付けの時点で,上記の記載に代えて次回の最低返済額及びその返済期日のみが記載された書面が17条書面として交付されても,上記の趣旨・目的が十全に果たされるものではないことは明らかである反面,確定的な返済期間,返済金額等の記載に準ずる記載をすることは可能であり,かつ,その記載があれば,借主は,個々の借入れの都度,今後,追加借入れをしないで,最低返済額を毎月の返済期日に返済していった場合,いつ残元利金が完済になるのかを把握することができ,完済までの期間の長さ等によって,自己の負担している債務の重さを認識し,漫然と借入れを繰り返すことを避けることができるのであるから,これを記載することが上記の趣旨・目的に沿うものであることは,平成17年判決の言渡し日以前であっても貸金業者において認識し得たというべきである。
そして,
平成17年判決が言い渡される前に,下級審の裁判例や学説において,リボルビング方式の貸付けについては,17条書面として交付する書面に確定的な返済期間,返済金額等の記載に準ずる記載がなくても貸金業法43条1項の適用があるとの見解を採用するものが多数を占めていたとはいえないこと,上記の見解が貸金業法の立法に関与した者によって明確に示されていたわけでもないことは,当裁判所に顕著である。
上記事情の下では,
監督官庁による通達や事務ガイドラインにおいて,リボルビング方式の貸付けについては,必ずしも貸金業法17条1項各号に掲げる事項全てを17条書面として交付する書面に記載しなくてもよいと理解し得ないではない記載があったとしても,貸金業者が,リボルビング方式の貸付けにつき,17条書面として交付する書面には,次回の最低返済額とその返済期日の記載があれば足り,確定的な返済期間,返済金額等の記載に準ずる記載がなくても貸金業法43条1項の適用が否定されるものではないとの認識を有するに至ったことがやむを得ないということはできない。
そうすると,
リボルビング方式の貸付けについて,貸金業者が17条書面として交付する書面に確定的な返済期間,返済金額等の記載に準ずる記載をしない場合は,平成17年判決の言渡し日以前であっても,当該貸金業者が制限超過部分の受領につき貸金業法43条1項の適用があるとの認識を有することに平成19年判決の判示する特段の事情があるということはできず,当該貸金業者は,法律上の原因がないことを知りながら過払金を取得した者,すなわち民法704条の「悪意の受益者」であると推定されるものというべきである
この流れについてもツッコミどころがないわけではないとも思うのですが、速報版ですから、ろじゃあはもう少し時間をかけて吟味したいと思います。
いずれにしろ、判決の射程を考える場合には、今までも何らかの形で主体の変更はあったわけですから、悪意の受益者といえるかどうかについての特段の事情についてどの程度配慮して対応していたかが問われる可能性があるのかどうか・・・とか、今後の案件についてはどのように考えるべきなのかとかいろいろと検討すべき問題はあるのだろうと思います。ということで速報版の備忘録でございます。

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